目次
NASが壊れるまでの経緯
とある日、NASから突然以下のようなメッセージが

PCからもスマホからも接続できない。
というか、ネットワーク上からNASが見えない。
ルーターか?いやいやネットは接続できてるし・・・。
うーん・・・まいったな。
本体を確認してみる
インジケーターが赤点滅7回繰り返している。やばそうなにおい。
そしてBUFFLOの質問ページで確認してみると、

ショック!どうやらハードディスクの故障があるみたいだ。なぜだ、なぜこんな仕打ちを・・・
設定の初期化を試みるも不発、これはどうしたものか
思い返してみると
そういえば、確かにインじーけーたーが緑から橙色に変わってたな。結構前から。点滅もしてた。
よく、ぶつけてバタバタ倒してたな。
なんか、通知もきてたな。無視してたが。
そうか
俺のせいか
NAS、分解します。
購入して半年しかたっていないし保証期間内なので、まずはメーカーに問合せしてみました、が、以下のような回答がメールで返ってきました。
以下

どうやらメーカーではなくて外部のデータ復旧サービスを紹介してもらえるとのこと。データ失ってもいいなら本体は保証はしてもらえそうだな。
データ復旧サービスの料金
BUFFALOご紹介のサービスはこちら
色々と当たってみましたが、だいたい5万~15万するようだ。これが、俺の思い出の価値か・・・たけぇ(゚Д゚;)
うーん、どうするか。
過去をすてて、新品交換だけしてもらうか
金を出して、データ復旧サービス使うか
それとも、本体保証は捨てて自分でデータ救出するか
・
・
[少考]
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・
よし、やろう。
分解の決め手
エラーの感じです。
ディスク自体が逝ってたらお手上げですが、NAS自体がネットワーク上から見えないという症状から、ディスクは無事で単にNASの故障ではないか?と思ったからです。
なので、分解してディスクを取り出して直接パソコンにつなげばデータを救出できるのでは?と考えたからです。
ということで、やります。分解。
分解作業
作業の内容としては以下です。
- NASを分解
- 取り出したHDDをPCに接続
- HDDをドライブと認識できるか確認
本体は筐体にネジを使用しておらず、ツメを外せばOKということで、まずはツメの位置を確認。

正面から見て、ツメの位置は以下のようになっていました。
- 底部右側に4か所
- 上部右側に4か所
- 正面左に2か所
- 背面左に2か所
このような作業を殻割りというらしいのですが、詳細の位置についてはコチラのサイトが参考になります。
準備
作業に使うものはこちら
- 精密ドライバー(特にマイナスは重要)
- 不要なカード2枚(プラスチックが固めのモノ)
- メガネ拭き
- 手袋(静電防止)
- 簡易ライト(ツメの位置確認)
ツメを外す
まずは上下のツメ4か所が位置把握しやすいのでオススメです。私は底部の真ん中から外しました。

ツメ真下の隙間にマイナスドラーバーを入れてテコの原理でグイっともちあげ、隙間が空いたらカードをねじ込みます。そして、ツメの左右にカードをスライドさせて隙間を広げていきます。

対象のツメの周囲に多少隙間が出来たらツメの真下にマイナスドライバーを再度差し込んで、思いっきり力を入れてテコの原理で持ち上げます。バキって音がすればツメが外れます。(この時にツメは折れるかもしれませんが気にしない)

一回折れたらもう吹っ切れるので大丈夫。残りも同様の手順で外していきましょう。

次に、正面の2か所を外します。多少隙間が出来てると思うので、そこにカードを差し込んで、ツメにぶつかるまで隙間を広げながらスライドさせてます。

ツメにぶつかったら上記同様にマイナスドライバーかカードを使って持ち上げましょう。またバキっと音がして外れます。
※画像は背面のツメを外した時です。
これを繰り返し、すべてのツメが外れるとハードディスクがむき出しの状態になります。ここまでくれば、とりあえず分解は成功です。

両サイドのネジを外して上に引っ付いているアルミテープを剥がしてハードディスクを後ろにスライドさせれば取り出せます。
取り出したハードディスク
HDDを直接パソコンに接続する
次に、パソコンに取り出したハードディスクを直接接続してアクセスできるかどうか試してみます。これができれば恐らくハードディスクは無事であり、データは取り出せると思います。
内蔵型のハードディスクを直接接続するためには変換ケーブルなどが必要です。ハードディスクの接続はIDE(アイディーイー)とSATA(サタ)形式があり、今回はSATAだったので、以下のようなSATA⇔USB変換ケーブルを用いてUSBでパソコンと接続できるようにします。
ただし、私の場合は以前に使っていた外付けハードディスクを分解して中のハードディスクを入れ替えて、その筐体を代用して接続しました。

実際につないでみると・・・

ドライブが認識できました。成功です。ハードディスクは問題なさそう。
ただし、NASで保存されているファイル形式はext4と呼ばれる形式で、Windowsではそのままデータを確認することができないので、データ中身の確認と救出はLinuxと呼ばれるOSを使って作業します。
データの確認作業
こちらでは以下の作業をします。
- LinuxOSの1つであるKNOPPIXのbootメディアの作成
- パソコンのバイオス設定変更
- KNOPPIXでパソコンを起動する
- NASのハードディスクを接続してデータの無事を確認
多少パソコンの知識がないとなんのこっちゃ?になるかと思いますが、そんなに難しくない作業なので、自分で復旧したい方は諦めずやってみましょう。
事前知識
これから作業を始める前に事前知識として知っておいた方がいいことを一応書いておきます。
- WindowsやMacといったOSでは、取り出したNASのハードディスクを直接繋いでもデータは認識出来ない(ファイル形式の違いにより)
- KNOPPIXというOSは、NASで保存されたファイル形式を認識することが出来る。
- KNOPPIXというOSは、CDやDVDに入れることができる軽量のOS。
- 通常パソコンが起動する際は、内蔵されているハードディスクに保存されたOS(Windowsなど)を読み込んで起動する。
- バイオスの設定で、ハードディスクを読む前にCD・DVDのメディアを先に読みこむようにしてKNOPPIXを起動させる。
- 起動したKNOPPIXにNASのハードディスクを直接接続してデータの無事を確認する。
以上です。それでは実作業に入ります。
KNOPPIXのbootメディアを作成する
本性で必要なものは、新品のCDもしくはDVDメディア(数枚あったほうが良い)です。
まずはKNOPPIXのOSをダウンロードします。ただし既にこちらのOSは開発終了して正規サイトでは配布終了しておりますので以下のサイトからダウンロードしましょう。
ここからDLできます。ライブCDの部屋
ダウンロードしたKNOPPIX_V6.4.4CD-2011-01-30-small-JP.isoをCDもしくはDVDにイメージディスクとして焼きます。私はLet’noteにインストールされていたRoxioと呼ばれるソフトを使って焼きました。フリーソフトでもあるはずです。

バイオスの設定を変更する
次にバイオスの設定変更を行います。
私が使っているPanasonicのLet’snote S10モデルのバイオスの設定は以下のようにして行いました。
- パソコンの電源を入れる
- 「Panasonic」のロゴが出てきたら[F2]連打
- バイオスが起動
- [詳細]→光学ドライブ[有効]
- [メイン]→光学ドライブ電源[ON]
- [起動]→光学ドライブの優先順位をハードディスクより上にする
- 設定を保存して再起動。
※4、5はお使いの環境によって不要の場合もあります。
KNOPPIXでパソコンを起動する。
上記で作成したCDもしくはDVDをセットした状態で再起動する。
WindowsではなくてKNOPPIXが起動すれば成功!(起動までに時間かかるかも)

場合によってはKNOPPIXが起動しない場合もあります。そういった場合には下記サイトを参考にやってみましょう。
それか、KNOPPIXのバージョンを変えてみてチャレンジしてみましょう!
NASのハードディスクを繋いで確認する
それではようやくデータの無事を確認できます。ハードディスクを繋いでみてデータにアクセスできるか確認してみましょう。無事にハードディスクにアクセスが出来、中身が確認できれば成功です。お疲れさまでした!
あとは、USBで他のハードディスクにデータを移行すれば元通り。
以上です。
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